今月は、安いきものの代名詞、ポリエステルの着物を紹介しましょう。天然素材以外は取り扱わない、「とにかく良いものを」というポリシーをお持ちの呉服屋さんも多いようですが、普段着であれば実用的な化繊の着物も、もっと見直して欲しいものです。安いといっても、仕立て代を考えると2万円近くかかることもしばしばですが、1万円程度で手に入る場合もあります。値段のこともありますが、やはり普段着=実用着である以上、家庭の洗濯機で丸洗いできる着物であるという点がエライと言えます。おまけに洗っても縮まないし、皺にもなりにくいので機能的には十分誉めるに値します。
では肝心の着心地の方はどうかというと、これも意外と悪くありません。何しろ軽いので楽ですし、さらっとした着心地はなかなかのモノ。そりゃあ、極上の素材のきものと比べると別次元の話となりますが、そういう比較は野暮というもの。「普段着ならこれで十分じゃない?」と捉えるのが大方の意見となりうる要素を持った着物と言えるのです。
とまあ、こう書くといいこと尽くめのようですが、夏物の場合、100%ポリエステルの絽の単の着物には、唯一最大のデメリットがあるのも事実です。それは、汗が噴き出るような真夏の暑い日差しの中でこれを着用すると、汗で肌にベタベタと貼り付いて一気に不快感100%となり、よけい暑くて汗が出るといった最悪の衣料品と化する点です(^^;。夏場に薄っぺらなビニールのレインコートを着ている時のことを想像してもらえばよいかと思います。そんな訳で、単のポリ100%の着物は、極端に暑い日の外出着として利用するのは避けた方が無難です。逆にクーラーのよ〜く効いた涼しい部屋の中で過ごすような場合には意外と快適です。冬物であれば、もうすこし活用の巾も広がると思いますが、私は写真の一枚だけしかポリ100%の着物は持っていません。なお、絹や麻、綿などとの混紡であれば多少変わってきますので、夏物であれば、麻混のような素材のものを選ぶのがいいと思います。
既製品なので丈も裄も短いが夏はOK。

見た目は涼しげなポリ絽のきもの。汗さえかかなければ・・・。
それにしても、女性の場合は意外と夏でもポリの着物、あるいは着物は絹でも長襦袢などは洗えるポリのものといったものを利用されるケースが多いみたいですが、実際はどうなのでしょう?意外ときものの時はみんな我慢して着ているのかな?ポリの着物をお持ちの皆さん、着用の経験談をお聞かせ下さい。
さて次回は、最近手に入れたポリエステル65%+麻35%のきものを紹介したいと思います。やはり、同じ化繊の着物でも麻が入っているだけで随分違う、非常に安くて実用的なきものです。どうぞお楽しみに。

こんな感じのきもの・・・。