袴のつけ方

■ 袴のカッコよさは和服ならでは


今ではただでさえ和装の男性は少なく、ましてや袴を着けた男性の和服姿など滅多に見かけなくなりました。袴をつける機会があるのは結婚式の新郎のときか、茶会などに着ていく機会のある方くらいでしょうか。袴を着けると急に風格が増したような気分にもなり、気持ちがシャキッとするものです。実際背中の腰板が背筋にぴったりあたっていると気持ち良いため、自然と姿勢も良くなります。袴姿は最も男らしい和服姿であり非常にカッコイイものですが、とにかく現在では目立ちますよね。日常和服を着るときにこうした袴をつけることは希ですが、ぜひ一度、袴姿の気持ち良さも体験してみて下さいね。

ここでは一般的な馬乗り袴のつけ方を説明します。袴紐の結び方は十文字ですが、これは主に礼装時の結び方で、普段は別に示す一文字結びや結びきりなどの結び方にします。

■ 袴の着け方

馬乗り袴は中がズボンのように別れているので、着物の裾をよくさばいてから袴をはきます。袴の中をよく見て左右の穴に片足ずつ入れてはきます。片方の穴に両足を入れないように注意しましょう。両足を入れたら、着物の裾を左右に振分け、歩きやすいようにしておきます。
なお、袴をはく前に、着物の裾を背縫いの中心をつまんで持ち上げ、角帯に下から挟み込んではしょっておく手もあります。こうして尻っぱしょりしておくと歩きやすくなりますし、着物の裾が袴の下から覗いて見えることもありませんが、必ずしもはしょる必要はありません。
角帯の上端が1cmくらいのぞくように前紐をあてます。このとき、袴の前裾は足の甲すれすれくらいになるようにします。
前紐を後ろに廻して、一文字の結び目の上でクロスさせて、一度紐を締めます。しっかり締めたら、両脇から前に紐を廻します。
右の紐を角帯の下側を通るように下腹に沿わせ、左の紐が下になるように左の脇で重ね、左の紐を右手に持ち替えます。
次に、左の写真のように左の紐を脇の所で上に折り返し、右の紐の上に重ねます。こうしておくと、袴の紐が緩んでずり上がってしまうのが防げます。
この折り返しは紐の左右を逆にする方法もありますが、写真の方法のほうが、紐を角帯の下側にスッキリ添わせることができると思います。
左右の紐を重ねて揃えたら、両脇から再び後ろに廻します。紐は帯の結び目の下で蝶結びにします。解けないようしっかりと結んで下さい。余った紐先が短ければそのままでもかまいませんが、長く垂れ下がってしまうときは、畳んで帯の下に挟み込むなどして始末して下さい。
次に、袴の後ろ側の腰板についている「ヘラ」を、背中の中心で帯の一番内側(長着と帯の間)に挟み込みます。ヘラを差し込んだら、袴の腰板を一文字の結び目の上に乗せて安定させ、背中に密着させるようにぴったり添わせて袴の後ろ紐を前に廻します。この時、紐がねじれたままにならないように注意して下さい。希に、この差込ヘラの付いていない袴もありますが、やはりヘラはつけておいた方がよいでしょう。これがあると帯の上で腰板をしっかりと安定させることが出来ます。
後ろ紐は前で一度引っ張ってから、身体の中央で左の紐を上にして左右の紐を重ね合わせます。揃えて持った後ろ紐を、前紐の内側を上から下にくぐらせます。
後ろ紐を前紐の下に引き出したら、左の紐を上にして中央で交差させます。
左手に持った紐(右脇から来た方の紐)を上に上げます。
上に上げた紐を前紐に絡げるようにして下に引きおろします。
右手に持った紐を左側に折り返し、紐を左手で持ち替えます。
下に下がっている紐をもう一度前紐に巻き付けて、下に引きおろします。
左手に持った紐を端から巻くようにして折り畳み、畳んだ紐の中央が結び目の真ん中に来るようにして、結び目の上に置きます。
畳んで横にする紐の長さは、袴紐の幅の約3倍の長さにするのが一般的ですが、好みの結び目の大きさになるよう、調節して下さい。ただし大きすぎる結び目は見た目にもおかしく、野暮ったい感じがします。
下の紐で畳んだ紐の中央を下から上に巻き込み、前紐の内側を通して下に引き、しっかり巻いて結びます。
もう一度同じようにして巻きますが、今度は下に紐をおろすとき輪にしておろし、指を輪にかけて上に残っている紐を引きもう一度締めます。
上に余っている紐は内側に織り込んで前紐の内側に挟み込みます。
結び目の上下左右を整えて、十文字結びのできあがりです。
十文字の形は、上下に出ている紐の長さを、左右の紐の長さよりやや短めになるように整えるときれいに見えます。
結び目の位置は写真よりもっと下でもいいでしょう。袴の紐もやはり下腹でしっかり結びましょう。結び目の上下位置は、袴の前紐を締める位置で決まります。結び目が帯に近すぎるとだらしなく見えます。

出来上がり
正面 後ろ

袴紐の結び方 いろいろな袴紐の結び方を紹介します。







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